耳から汁の出る女

12日の金曜日、気分よく耳掻きをしていた。

私は根っからの耳掻き好きを公言してもいいくらい耳掻きが好きで、YouTubeでも耳垢をとる動画ばっかり見ている。

綿棒や竹の耳掻きいろいろあるけれど私はやはり竹の耳掻き特有の力強さが最高に好きだ。

耳の中を掃除してる〜!かいてる〜!という実感が何よりも欲しい為もはや綿棒の生ぬるい刺激では満足出来ない体となってしまった。

そんなことを言いつつ一時期は風呂上がりの湿った耳を綿棒で掃除するということにハマり散らかしたこともある。

ハマり散らかし過ぎて外耳炎になったけど(自己診断で病院行ってないけどあれは絶対そう)

その時はまあ痛いな〜痒いな〜と思えどさほど不便もなく2日もすればほとんど治癒したと言っても良いくらいにはなっていた。

そんなことがあって綿棒からは少し距離を置きつつも耳かきはやめられないという人生を歩んできていたのだ。

 

最近も手持ち無沙汰になれば耳かきを手にしている節があった。

こんだけこまめに耳かきをしているので別に特別耳垢が溜まっているわけではない。むしろなんの収穫もなくてため息を吐くことがほとんど。

しかしまあ〜〜耳かきって楽しいし気持ちがいい。

調べたところによると耳の中の迷走神経とやらが刺激され、それが刺激されるとリラックスする物質が分泌されるらしい。

こんなん実質薬物じゃん。怖。やめられん。

 

そして話は戻って金曜日。

朝からいつもと同じように耳かきに勤しんでいた。

なんもとれないとわかっているのにも関わらず。ただ己の耳の中をかくということだけに集中して。

時々耳かきを見ればなんか血が付着しているけど耳って血が出やすいらしいし大丈夫やろ精神で。

ある程度のところで満足した私は耳かきをそっと置いた。百恵ちゃんの引退ステージが如く。

 

その数時間後である。

耳がなんかおかしい。

主に血が出ていた右耳側。

我慢できないほどの痛みでは無いが圧迫感・耳閉感が凄まじい。頬杖をつくようにすると右耳がますます狭くなるのを感じるし、右耳を押したりするとそりゃもうここは水の中か?というレベル。

しかしそんなことで病院を決意するほどヤワな病院嫌いではない。

 

それから更に放置して時刻はすっかり夜。

 

なんか右耳から汁垂れてきた(^-^♪笑

いや全然笑いじゃない。普通に引いた。

さすがにビビった。

なぜなら28年間生きてきて耳から汁など出たことがないからだ。

しかも汁だけどほぼ赤。血なんだが?

耳にティッシュで栓をしてスポッと抜いてそれを確認してみるとやっぱり血。そして汁。血100%ではなくて8:2くらいの割合。サラサラ。

いくらなんでも耳から汁を垂らして平気で生活できるようなメンタルは持ち合わせていないので朝起きて変わらず耳から汁が出ていたら耳鼻科に行こうとあっさり決めた。

しかもこの日エビマヨを食べたら顔にめちゃくちゃ発疹が出来て普通にエビアレルギーの疑いも出た。最悪過ぎ。最悪の詰め合わせ。

アレルギー検査はまた別の機会にするとして私はしばらく甲殻類を避けて生きていくだろう。

 

日付が変わって土曜日の朝。

まあ出てるよね、汁。

トイレ行ったついでに耳にトイレットペーパー入れて確認したけど昨日より血だし。

あとなにより右耳が聞こえ難い!!!!これが本当に不便だった。まじで聞こえない。

めっちゃ近くの母親に右側から話しかけられてるけどなんて言ってるかわかんなくて何回も聞き返したレベル。

例えるなら耳の中に水が入ってる感じ。右耳だけ詰まってる。不快感すごい。

というわけで土曜日の午前で診てくれる近所の耳鼻科へ。

 

土曜日だからかまあ子どもが多い。赤ちゃん〜小学校低学年くらい?

ホニャホニャ泣いてる赤ちゃん、診察を終えてこの世の終わりのように泣いている赤ちゃん。

お母さんお父さんと楽しくお話してる子供。

耳から汁を出している28歳の女。

様々な人間が居た。

患者さんを診察室に呼ぶ時先生が中からマイクでアナウンスしてくれるシステムだったんだけど先生マイク使ってるのに声小さいしボソボソ言ってて片耳が聞こえにくい人間的にはいつ呼ばれるのかと待ち時間中ハラハラした。やってくれるじゃん……。

 

自分の番になり診察室へ。先生は多分60代くらいの男の先生。

背もたれのある椅子に座り、昨日からかくかくしかじか多分耳かき強くし過ぎたからだと思うんですと説明。

左耳からチェック。なんもない。それはそう。

問題の右耳をみた先生が小さい声で「ヮッ…」と言っていた。ここでも声小さいんだ…。

私に言っているのか独り言なのか判別が難しいレベルのトーンで「かなり酷いね〜」「ん〜?」「う〜ん」とか言いながら長い綿棒で耳の中をゴソゴソ。この時点で月曜日も来てくださいと言われた。

長〜い綿棒をつっこんで、バイ菌の検査も出しときますね〜と。その時出された綿棒みたら案の定血がついてた。怖。

その後も何回か綿棒を変えて耳の中をゴソゴソしたり側面を押したり。この押されてる時普通に痛くてビクッとなったけど看護師さんにしっかり頭抑えられてるから逃げられなくて拷問?ってなった。

でもなんか痛痒い耳の中が刺激されるので気持ちよさもある。不思議な気持ち...。。。

その後イソジンつけた綿棒で中を消毒されて解放された。

そしたらなんとまあ右耳が聞こえやすくなってる!!!!「あれっ!!??」と思っていたら先生が「どうですか?最初よりは聞こえるようになったと思うけど…」って。

せ、先生〜〜〜!!!!!

よくわからんけどなんかしら押して元に戻して(何を?皮膚?本当になにしてたんだろう)いたらしい。最初は鼓膜が見えてなかったみたいなので。。。

そんでもって最後は点耳薬もしますってことで広い診察室の隅っこにあるカーテンで仕切られたベッドの上に移動。人生初の点耳薬。

5分待って反対向いて5分待って。

 

まあここからは特になんの面白みもない。

飲み薬タイプの抗生物質と点耳薬を貰って帰る。

 

現在進行形で耳から汁は出してるけど耳閉感はほとんどないし、痛みもほとんどない。

やっぱお医者さんってすげ〜や!!!

餅は餅屋、耳汁は耳鼻科。

 

皆さんも耳かきのし過ぎには注意してください。

最悪汁が出ます。